脳死下臓器提供後にHLA検査結果の一部相違が発覚した脳死下臓器提供事例がありました。

当該事例においては、臓器提供後、移植関連施設よりHLA検査結果の一部相違について照会があり、特定移植検査センター(JOTが業務提携する医療機関)に至急確認したところ、一部相違があった事実が確認されました。

JOTでは、直ちに厚生労働省に第一報報告を行うとともに、該当する特定移植検査センターに調査依頼を発出、同センターに立ち入り調査を実施し、関係者へのヒアリング及び検査環境の確認作業を行いました。その後、同センターより、本事案の原因は、通常使用している測定機器が新型コロナウイルス検査の専用機として他部署に移設され使用困難であったため、通常の操作過程とは異なるDNA精製を行ったことによるDNAの精製不良が発生したこと、及び老朽化した測定機器の動作不良によるDNAの増幅不良が重複したことによる技術的な問題であるとの報告を受理致しました。

この特定移植検査センターに対し、あっせん誤りにつながる可能性のある重大な事案であることを認識し、技術的要因だけではなく体制的要因を含めたさらなる再発防止に努めるよう指導するとともに、文書による厳重注意を行いました。

今後、二度と同様の事態が生じないよう外部の専門家で構成される移植検査委員会で再発防止策等について検討します。

本事例におけるレシピエント選定は、特定移植検査センターから報告のあったHLA検査結果に基づき実施致しましたが、この度の一部相違によるレシピエント選定への影響に関する検証を実施したところ、あっせんへの影響はありませんでした。なお、この経緯は厚生労働省に報告しました。

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