脳死下と心臓が停止した死後に提供できる臓器は、臓器移植法や施行規則によって定められており、異なります。
・脳死下(提供できる臓器):心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼球
・心臓が停止した死後(提供できる臓器):腎臓、膵臓、眼球
脳死とは、全脳の機能が停止して、元には戻らない状態をいいます。
脳死になると、人工呼吸器をつけていても、数日後には心臓が停止します(心停止までに、長期間を要する例も報告されています)。
臓器提供のお申し出があれば、脳死判定を行い、2回目の判定の終了時刻が死亡時刻となります。脳死下の臓器提供は、人工呼吸器によってまだ心臓が動いている状態のときに病室でご本人と家族がお別れしていただき、手術室へ運ばれてから、摘出手術が行われます。
心停止後の摘出は、心臓が止まって、病室で医師より死亡を告げられた後、手術室へ運ばれてからの摘出となります。
しかし、腎臓・膵臓の移植の場合、心臓が止まって時間が経過すると各臓器への血流が途絶え、急速に機能が衰えて、移植しても臓器が機能しない場合があります。せっかくご提供いただく腎臓などの機能を確保するため、心停止する前から準備(カテーテル挿入とヘパリン注入)をする必要があります。