2021年6月4日

 公益社団法人 日本臓器移植ネットワーク(以下、「社団」という。)では、社団より会員施設である移植施設に供与され、診療のために保有している臓器提供者(ドナー)情報(以下、「ドナーデータ」という。)の研究利用に関する手続きについて、下記の通り定めます。

 なお、申請にあたっては所定の手数料がかかります。

1.  利用要件

 社団では、「個人情報の保護に関する法律」その他関係法令を遵守した「個人情報保護方針」を設定し、社団で扱う個人情報の保護に取り組んでいます。臓器移植のあっせん業務のために提供されたドナーデータも細心の注意を払って取り扱っております。
 社団の「個人情報保護方針」に基づき、移植施設で保有しているドナーデータの利用に関する利用要件を定めます。
 原則として、下記の(1)~(5)の全ての要件に該当し、かつ社団の倫理委員会により確認された後にドナーデータの研究利用が可能となります。

(1) 利用目的
  移植医療の質の向上に関する研究を目的とした利用に限る。

(2) 申請責任者
  社団の会員施設(移植施設、検査施設等)の代表者(研究責任者)が申請すること。

(3) 禁止事項
  申請責任者及び共同研究者等の関係者全員(以下、「申請者」という。)は、下記の禁止事項を遵守すること。
 ① 目的外の利用
 ② 個人を特定できる可能性のある診療情報(例として、具体的な日時、施設名等)の公表
 ③ 申請者以外へのドナーデータの開示
 ④ ドナーデータの第三者への譲渡や貸与

(4) 倫理的配慮
 下記の倫理的配慮を実施済みであること。
 ① 所属施設での倫理審査
 ② 所属施設での情報管理責任の明確化
 ③ 所属施設での研究利用の情報公開(オプトアウトを含む)

(5) 成果の公表
 学術研究等の成果を公表するにあたり、下記を遵守すること。
 ① 社団からの提供データを利用したことの記載
 ② 公表前に成果物を社団に提示

2.  研究利用データ

 移植施設に供与されているドナーデータのうち、社団に申請した情報について研究利用が可能となります。

3.  申請手続の流れ

 ① 申請者は社団ホームページ「各種お問い合わせ」「匿名加工データ提供依頼」より 所定のフォーマットにて申請を行います。
https://www.jotnw.or.jp/contact/
 ② 社団にて申請内容を確認し、臓器提供者(ドナー)データの利用申請に該当する場合は、社団より申請者へ「臓器移植に関する臓器提供者(ドナー)データ利用申請書」を送付します。
 ③ 申請者は、「臓器移植に関する臓器提供者(ドナー)データ利用申請書」及び利用目的、データの管理方法、研究成果の公表方法などの事項を記載した研究計画書(所属施設の倫理審査が完了済)等を社団窓口に送付します。
 ④ 社団の倫理委員会で「臓器移植に関する臓器提供者(ドナー)データ利用申請書」に記載された事項について確認し、結果を通知します。その際、必要に応じて倫理委員会での説明をお願いします。
 ⑤ 承諾の場合、申請者は、データ利用者全てが利用規約に同意し、これを遵守する旨を記した誓約書を提出するとともに、社団が提示した手数料(項番4参照)を納付します。
 ⑥ 申請者は、利用データを適正に管理し、利用成果を社団に提示した後に公表します。 その際、提示した利用成果は社団で個人情報保護の観点で確認した上で修正をお願いする場合があります。

 ※「臓器移植に関する臓器提供者(ドナー)データ利用申請書」記載内容に変更が無い(研究テーマ、利用データの期間及び項目、研究責任者が同じ)状態での学術集会や論文投稿での発表については、その都度の再申請及び手数料の納付は不要です。
  つまり、同一研究テーマで学会等に複数回にわたり学術集会発表や論文を投稿する場合は、最初にドナーデータ利用申請を行って確認されれば、学術集会発表や論文を投稿する都度にドナーデータ利用申請を行う必要はありません。ただし、その場合でも公表前の学術集会発表抄録や論文をJOTに提出する必要があります。

 「臓器提供者(ドナー)の診療情報の研究利用に関する手続きの流れ」(pdf)をご覧ください。

4.  手数料

 申請手数料は、申請1件につき、110,000円(税込)となります。

以上

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