臓器提供について

臓器提供について

臓器提供の種類

臓器移植には、他の方の健康な臓器の提供が不可欠です。現在の臓器移植法で定められている臓器提供には、脳死下の提供と心臓が停止した死後の提供があり、死後(脳死下および心臓が停止した死後)の提供による臓器の移植を希望するにはJOTに移植希望登録をして待機する必要があります。
その他にも健康な家族などから提供してもらう生体移植が各病院で行われています。

臓器提供の種類の図

死後に提供可能な
臓器について

死後に提供できる臓器は、臓器移植法や施行規則によって定められています。心臓が停止した死後では、腎臓・膵臓・眼球が提供でき、脳死下ではさらに、心臓・肺・肝臓・小腸も提供可能です。
脳死下と心臓が停止した死後で提供できる臓器に違いがあるのは、血流が止まった状況から移植後に、血流を再開して機能を発揮できる能力の違いによります。ちなみに脳死下の提供の場合、ドナーから臓器を摘出して、血流再開までに許される時間は、心臓で4時間、肺で8時間、肝臓/小腸で12時間、膵臓/腎臓で24時間といわれています。
また、臓器提供は0歳から70歳代まで行われていますが、提供臓器の適応基準については、おおよそ心臓50歳以下、肺70歳以下、腎臓70歳以下、膵臓60歳以下、小腸60歳以下が望ましいとされています。

臓器提供者適応基準は
こちらから

臓器提供の流れ

事故や病気による脳障害などで緊急搬送された人に対して、最善の救命治療を行ったにもかかわらず、回復の可能性がなく、救命が不可能であると診断されたとき、臓器提供という選択肢があることを伝えられる場合があります。
その後、家族から「臓器提供について詳しい説明を聴きたい」との申し出があれば、主治医からJOTに連絡が入り、JOTが臓器移植コーディネーターを派遣し、家族に臓器提供に関する説明をします。
家族は説明を受けた後、十分に話し合い、臓器を提供するかどうかを家族の総意として決めます。提供しないと判断しても不利益な扱いを受けることはありません。家族の総意で「提供する」という決断があれば、法的脳死判定を行います。
2回目の脳死判定の終了時刻が死亡時刻となります。その後、JOTに登録している移植希望者の中から、医学的に最も適した人がコンピューターを用いて公平に選ばれます。
移植候補者が選ばれると、摘出手術が行われます。傷跡はきれいに縫い合わせて、清潔なガーゼなどを当て、手術による創(あと)がわからないようにします(眼球提供の際は義眼を入れます)。お身体は3~5時間の摘出手術の後すぐに家族の元に戻りますので、通夜や葬儀など大切な方々との時間を過ごしていただけます。

臓器提供施設

脳死下の臓器提供(摘出手術)を行うことができる施設(ガイドライン上の5類型施設*)は約900施設あります。心臓が停止した死後の腎臓提供などは、手術室がある病院なら提供可能です。なお、いずれも必要な体制が整っていることが前提となります。小児の提供の場合は、虐待防止委員会などの虐待を受けた児童への対応のできる院内体制が整備されていることが必要です。

「臓器の移植に関する法律」の
運用に関する指針
(ガイドライン)

*ガイドライン上の5類型施設:
大学附属病院/日本救急医学会の指導医指定施設/日本脳神経外科学会の基幹施設又は連携施設/救命救急センターとして認定された施設/日本小児総合医療施設協議会の会員施設

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