脳の障害と蘇生限界
①心臓の停止②呼吸の停止③瞳孔の散大(脳機能の消失)という3つの徴候を確認した時点を人の死(心臓死)としていました。しかし、医学の進歩により人工呼吸器等が開発されると、本来心臓死を迎える状況でも器械によって呼吸を維持し、心臓を動かし続けることも可能となる場合もみられるようになりました。
脳卒中や脳梗塞、あるいは交通事故等での頭部外傷などにより、脳に著しい損傷を受けた場合、時間の経過とともにその障害は進行していきます。
しかし、様々な処置や手術などで治療した結果、回復する人もいれば、脳障害の進行を食い止めても植物状態に陥る人もいます。植物状態になっても薬物治療やリハビリなどで、回復する可能性があります。
一方で、さらに脳障害が進行すると脳を蘇生できる限界を超えて、二度と元に戻ることができない「脳死」になり、その後人工呼吸器を使っても多くは数日以内で「心臓の停止」に至ります。