人が臓器(ぞうき)を提供(ていきょう)する場合の「死」には、2種類あることを知っていますか?
1つは、心臓(しんぞう)や呼吸が止まる「心停止(しんていし)」です。心停止(しんていし)すると、血液が流れなくなるので、死んだ人のからだは、だんだんつめたくなっていきます。
もう1つは、頭の中にある「脳」がまったく働かなくなった「脳死(のうし)」です。
じつは、「脳」が心臓(しんぞう)を動かしているので、病気や事故などで脳のすべてが傷ついたり、脳がまったく働かなくなってしまうと、心臓(しんぞう)も動かなくなってしまいます。人工呼吸器(じんこうこきゅうき)をつけることで血液をからだじゅうに送ることができるので、しばらく心臓(しんぞう)を動かすことができ、「からだはあたたかい」、という状態です。しかし、一度「脳死(のうし)」の状態になってしまうと、もとの元気な姿にもどることなく、やがて心臓(しんぞう)も停止してしまいます。(心停止(しんていし)までに長期間を要する例も報告されています)
臓器移植(ぞうきいしょく)の時には、「脳死(のうし)」か「心停止(しんていし)」した人の臓器(ぞうき)が使われます。
脳死(のうし)と植物状態(しょくぶつじょうたい)は、まったく違います。脳の中の「大脳(だいのう)」という部分は、話をしたり、からだを動かしたりするための大事な働きをしています。「脳死(のうし)」も「植物状態(しょくぶつじょうたい)」も、大脳(だいのう)が働かない状態にあるので、寝たきりで、話をすることも聞くこともできません。
ただ、植物状態(しょくぶつじょうたい)は、脳の中の「脳幹(のうかん)」や「小脳(しょうのう)」と呼ばれる部分が働いているので、そこから心臓(しんぞう)に命令(めいれい)を出して、自分で呼吸したり、血液をからだじゅうに送ったりすることができます。そのため、「植物状態(しょくぶつじょうたい)」になっていても、治りょうを続けることで、目をさましたり、話ができるようになることもあります。
これに対して脳死(のうし)は、大脳(だいのう)や脳幹(のうかん)、小脳(しょうのう)など、脳のすべてが働かなくなった状態なので、心臓(しんぞう)をはじめ、すべての臓器(ぞうき)は自分の力で動くことはありません。人工呼吸器(じんこうこきゅうき)を外せば、呼吸も心臓(しんぞう)もすぐに止まってしまいます。























