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アジアの移植事情
 長い戦争の後、健康や環境整備など先にしなければならないことが数多くあり、90年代初期まで、ベトナムで臓器移植ができることなど信じられない状況でした。しかし、ベトナムと同じような状況であるキューバの友人医師達が、私達ベトナムの外科医を励ましてくれたお陰で、腎臓移植をおこなう計画が立てられました。台北から来られたChu Shue Lee教授(アジア移植協会)が外科チームを編成し、クロス・マッチング、免疫、HLAタイプなどの免疫学の研究を指導し、ついに92年、ハノイで2例、ホーチミン市で2例、腎臓移植が成功しました。それらはいずれも生体腎移植でした。

それ以降私達は、現在までに30例の生体腎移植をおこなっています。
ベトナムの人口は8000万人近くになり、人工透析や移植を必要とする慢性腎不全の患者が増えていますが、腎臓移植は多くありません。近親者以外の臓器提供や臓器売買は禁止されているので、国内での移植を待ちきれず、中国で移植をした人もいます。

今後の腎臓移植の発展のみならず、その他の臓器移植への発展を信じ、腎臓移植の成功を礎に肝臓移植も始めようとしています。

現在、死後の臓器提供についての法律を草案中ですが、これは死体を傷つけてはいけないというベトナムの伝統を克服しなければいけないことが大きな課題となるでしょう。

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